Ⅲ レイアウトの方法
2 写真やカットを効果的に使う
文字ばかりの紙面では、読む意欲があまり上がりません。人が紙面を見てまず目を向けるのが、写真やカットなど画像です。写真やカット・イラストなどを効果的に使って注目度を上げましょう。
表情や動きのある写真に
写真1枚が伝える情報の豊かさと臨場感は、100行の文章よりもよほど説得力があります。編集者は、紙面企画の段階から、どんな写真が効果的で相応しいか考えましょう。
人物写真では、表情や動きをとらえられるよう、できるだけ近づいて撮ります。会議や集会の写真は動きがないので、参加者が笑ったり、拍手をしているタイミングを狙いましょう(難しいのですが)。
頭の部分はカットすることもありますが、あごの部分を切り取ると誰の顔かわからなくなってしまいます。「頭は切ってもアゴは切るな」が原則です。
カメラマンはどんな紙面企画の写真なのかを意識しながらも、どんな紙面にも使えるように、さまざまな場面、角度から撮っておきましょう。
必ず写真説明を載せる
紙面レイアウトではまず、写真を配置してから記事を流します。
写真を何枚も載せる場合、どれも同じ大きさにするのではなくメリハリをつけた方が効果的です。メインの写真は大きく、左上または中央部に配置し、他は小さめにバランスよく置きます。大きな写真を下に置くと、重たい印象になります。
伝えたいテーマをより鮮明にするために、ときには写真をトリミングして必要な部分だけクローズアップします。
写真には写真説明をつけるのが鉄則です。何の場面か、誰が写っているのか、さらには本文にない補足説明を書くと、より多くの情報が伝わり、充実した紙面になります。実は、見出しと同じくらいよく読まれるのが写真説明なのです。
埋めぐさカットはダメ
イラスト、カット、漫画も目立つ存在です。写真のようなリアルなインパクトはないものの、紙面を柔らかくして、親近感を持ってもらえます。
レイアウトはできるだけ上部に、見出しと組み合わせると効果的です。記事の最後、空いたスペースに埋めぐさのように使うのはよくありません。記事の末尾を目立たせるのは逆効果で、最初の見出しに視線が集まるようにしましょう。
向きが肝心
写真やカットのレイアウトでは向きが肝心です。向いている方向が紙面の中央(カコミ記事ならカコミの中央)に向くように注意しましょう。紙面の右端に置くなら左向きの写真、左端に置くなら右向きの写真にします。その逆に紙面からそっぽを向いてしまうと、散漫な印象を与えてしまいます。